米国企業

Adobe

企業概要

画像処理やPDF編集ソフトの開拓者。
専門家から個人向けまで幅広く対応。マイクロソフトやアクセンチュアなどと販売提携。
AcrobatやPhotoShopなど世界標準ソフトを多数抱える。

主に映像・ウェブとドキュメントの作成・編集、テータ分析の3つのクラウドサービスに軸足。
収益柱がライセンスから利用料金にシフト、高収益に体質強化。

もともとは売り切りモデルの売上が中心だったが2012年にサブスクリプションへの移行を宣言してから2014年のわずか2年間で売上高が一気に逆転しました。

移行後にどのようなメリットがあったのかというと1つはキャッシュフローが安定したこと。
2つめがマルチデバイスへの対応が可能になったこと。
3つめが新規ユーザーの獲得ができるようになったことです。

②テクノロジーの進展スピードに対応できる

2012年前後からAppleを先陣に新たなデバイスの登場が頻繁に繰り返され売り切り型ではそのスピードに対応しきれないという問題がありました。
それまではAdobeはプロのクリエイターを中心に「PCで仕事のために使う」プロユースの需要がほとんどでしたがサブスク型に移行するとスマホアプリやタブレット端末での利用といった幅広い需要に対応できるようになりました。

③新規ユーザーの獲得による売上の増加

マルチデバイス対応によってアマチュア~セミプロの需要を取り込むことに成功しその結果ユーザー数を大きく伸長させています。

また、従来は高額なソフトウェアで購入できる層が限られていました。
サブスク型に移行することにより「数万円のソフトウェアには手が出しづらいけど月額1000円くらいならトライしてみようかな」といったライト層も取り込むことができるようになったのです。

売上高推移

売上構成

2012年には売り切り型が76%を占めていたところわずか7年でサブスクリプションの比率が89%と逆転しています。

フィッシュモデル

サブスクリプションに切り替わったタイミングでは顧客管理や顧客獲得コストが増加しているのでマーケティングセールス費用が一時的に増加し、ユーザー数の増加に応じて費用の比率が急速に下がっていきます。

一方、営業利益率はサブスクリプションのタイミングで下がるのですがユーザー数の拡大に応じて営業利益率も右肩上がりに伸びていくのが分かります。

この営業利益率とマーケティングセールスコストの推移の動きが反比例で推移し魚の形に見えることからフィッシュモデルと呼ばれています。

18年11月期(2017年12月1日~2018年11月31日)

2018年10月、企業向けマーケティング機能を提供するマルケトを買収。

19年11月期(2018年12月1日~2019年11月31日)

20年11月期(2019年12月1日~2020年11月31日)

デジタルやクラウドの需要増を追い風に主力のクリエイティブやドキュメントの利用料が2桁増。
コスト増を軽く吸収し営業増益だった。

キャッシュフロー

(百万円)総資産有利子負債純資産現金及び現金同等物の期末残高営業活動によるCF投資活動によるCF財務活動によるCF
2020年11月5,727-414-3,488

21年11月期(2020年12月1日~2021年11月31日)

デジタルやクラウドの需要増を追い風に主力のメディア事業はクリエイティブ、ドキュメントともに2割超す増収。
企業向けCXMも好調でコスト増をこなし大幅増益。

キャッシュフロー

(百万円)総資産有利子負債純資産現金及び現金同等物の期末残高営業活動によるCF投資活動によるCF財務活動によるCF
2021年11月7,230-3,537-4,301

22年11月期(2022年12月1日~2022年11月31日)

主力のクリエイティブが着実に企業向けで伸びている。
22年11月通期も増収増益だが為替の逆風強く、当初の見通しを引き下げ。

キャッシュフロー

(百万円)総資産有利子負債純資産現金及び現金同等物の期末残高営業活動によるCF投資活動によるCF財務活動によるCF
2022年11月7,838-570-6,825

23年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)

キャッシュフロー

(百万円)総資産有利子負債純資産現金及び現金同等物の期末残高営業活動によるCF投資活動によるCF財務活動によるCF
2023年11月

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