仮想通貨

Substrateの可能性

Substrate(サブストレート)というブロックチェーンフレームワークを用いたブロックチェーンそれ自体の開発

Substrateは、イメージ的にはWebサイトやメディアにおけるワードプレスのようなものです。ワードプレスを使用すれば皆さんがインターネット上に独自のWebサイトやメディアやが作れるように、Substrateを用いれば皆さん独自のブロックチェーンが作れるようになります。

このSubstrateについてEthereum(イーサリアム)の共同創業者であり、Web3 Foundation、Parity Technologiesの創業者を務めるGavin Wood氏は「Substrateはブロックチェーン開発におけるLinuxである」「SubstrateはEthereum、Polkadotを作る上で学んだ全てのエッセンスを落としこんで作ったツールキットである」といった発言をしています。

Substrareのブレイクスルーその1は、ブロックチェーンのアップデートに予期しないハードフォークが存在しないということです。(ここでいうハードフォークとは、ネットワークのアップデートに関しアップデートの前と後で互換性がない問題です。思想の分裂などで、作ろうと思えばハードフォークは行なえますが、新しい機能を追加したりコンセンサス・アルゴリズムを切り替えるなどのアップデートにハードフォークはありません)。

このことでSubstrateは、常に5年後も10年後もその時々の最先端テクノロジーをシームレス(非断続的)に取り入れることができます。

言うまでもなくブロックチェーンを使用する際には、コンソーシアムチェーンでもパブリックチェーンでも複数のプレーヤーが同時に利用することを前提にしています。1社であればシステムを一回止めてアップデートしてまた動かす、といったことができます。しかし、この方法は通常ブロックチェーンには通用しません。

一方でSubstrateは、例えばPoWをPoSに変更するなどアップデートをシームレスにできるので、低コストで変更と修正を行うことができます。PoSで運用してみてうまく行かなければPoWに戻すような、通常のブロックチェーンでは難易度の高いことが可能になるので。

Substrateの場合、ブロックチェーンそれ自体をワードプレスのPluginのようにカスタマイズできるので、アイデアに合わせてコンセンサスアルゴリズムを変えたり、ブロックを大きくしたり、ファイナリティを短くしたりすることができます。

Ethereumの現在優れているのは、Ethereumの上に載るDAppsの数と、それが生むネットワークエフェクトでしょう。一方でSubstrateはカスタマイズの多様性に優れています。Substrate Coreはブロックチェーンを作るための基盤なのであまり変わることはないと思いますが、Substrateのモジュールが増えれば増えるほど、可能性は無限大に広がります。

Polkadotとは、異なるブロックチェーンを繋ぐためのブロックチェーンですが、Substrateを用いて開発されたブロックチェーンはPolkadotに接続することができます。Polkadotに接続することで、Polkadotに接続された他のブロックチェーンとトークンやデータの交換ができるようになります。また、パブリックブロックチェーンである、Polkadotのセキュリティをインポートすることもできます。そしてSubstrateで作ったブロックチェーンはEthereumとも互換性を持ちます。

具体的にはEthereum Virtual MachineをSubstrateに実装できるので、Substrate上でEthereumの開発言語であるSolidityを書くことができるのです。これによりEthereumと互換性が生まれるだけではなく、すでにEthereumを開発してスマートコントラクトを書いたものがあるのであれば、SubstrateベースのチェーンにデプロイするだけでPolkadotの恩恵をうけることができる可能性もあります。

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