日本企業

ワタミ

「和民」などの外食事業を中心に宅配や人材サービス事業も展開している。
財務数値を時系列で並べてみると売上高が右肩上がりで推移していたものの2014年を境に大きく減少傾向に転じており、この年が転換点であると仮定できます。
2014年には「ブラック企業問題」が浮き彫りとなった年です。

ワタミの国内外食事業は2014年~2015年前後のタイミングで赤字に転落しています。

もともとは利益率5%前後で推移していたところ、この時期から一気に営業利益率が減少してしまいました。
ワタミ従業員の過労死事故に端を発しブラック企業というレッテルを張られたことで外食事業の利用者が大きく減少し、稼ぎ頭だった外食事業が赤字に転落してしまったのです。

ワタミがこの時期に一番力を入れていたのは介護事業でした。
外食のみでは今後の成長が頭打ちになるという状況の中、介護事業にも注力していたわけですが2015年12月にこの介護事業を売却することになります。

なぜ介護事業を売却したのか

介護事業には多額の資産が必要になるという特徴が存在します。
資産が必要ということは当然投資が必要な分野です。
2013年から2015年にかけて入ってくる現金よりも出ていく現金の方が大きいことが分かります。
一方、ワタミの宅食事業は利益も出ている上、事業から現金も入ってきています。
宅食事業というのはさほど設備投資も必要のない事業なので現金が大きく出ていくこともありません。

ワタミの経営陣がこのタイミングで介護事業を切り離すという意思決定を行った理由が分かります。

貸借対照表推移

介護事業の売却により介護事業が保有していた負債が一気に減って一時的に負債の額が大きく減っています。

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